元同僚が自己破産寸前になっている件について

人づてに聞いた話だが、以前私が勤めていた外資系証券会社にて一緒に努めていた同僚が自己破産の淵にいるとの事だ。
現在彼は40歳。借金額は7千万円で、親からの借り入れも含めると一億円強の借金を背負っている。しまいには金利の高額なサラ金まで手を出してしまい、取り立ての恐怖から携帯まで解約したらしい。現在は返済も嫌で働く気力も失っているという。

彼をここまでの借金地獄に追い込んだのは、いわゆる「外資金融」という世間一般から見てかけ離れた世界に身を置いていたからなのではないかと私は考える。彼はプライベート・バンキングのIT担当者で、商社マン程度には稼いでいたが、他の一緒に働く同僚たちは1億、2億と稼いでいる者もいるような環境であり、またプライベート・バンキングの顧客自体が、超が付くほどの個人資産家達ばかりである。その様な環境が彼の金銭感覚を狂わせてしまったように思えてならない。

彼は証券会社時代から「Corporate Bitch(いわゆる社畜)だけにはなりたくない」と言い事業の立上げを進めていたが、お世辞にも起業センスがありそうには思えなかった。
初めに彼は、誰も使わなさそうなITポータルを立ち上げる。これで成功は手にしたと思っただろうが、思うようにビジネスは展開していかない。
その後彼は不動産ビジネスに手を伸ばすため、地方のマンションの一棟買いをしたり、沖縄にリゾート開発と称してペンションを購入したりして、独り立ちを試みていた。
起業は小さく出た方が良いというが、彼は大きく派手に出てしまったのである。
その件で想ったことを、今日は書きたいと思う。

借金は避けなければいけない
日常、ア〇ム、ア〇フル等のCMを見ていると、借金をすることがさも日常的な事に見えてならないが、少額であれ借金は避けるような生活を心がけるべきである。
CMでは、借金がさも身近に感じさせているが、ああいったものは金利も高く元本も減りにくい。
働くうえで、借金返済のために働くほど惨めなことは無いのではないだろうか。やはり人間、楽しい旅行の為、美味しいものを食べるため、家族を喜ばせるために頑張って働けるのではないだろうか。借金の奴隷になってしまうと、彼のように働く気は無くなり、自尊心は大きく傷つくことだろう。
私はというと24歳で一人暮らしを始めたが、特に親からの援助等無かった為、敷金礼金、引っ越し費用や家具の購入などで、一人暮らしスタート時は貯金が6万円程度しかなかった。年収は当時300万円を行かない程度だったが、それでも1年後には100万円程度貯金することが出来、借金には頼ったことが無い。
余談だがそれ故にか、実家暮らしなのに貯金が1円も出来ないという人を、何となく友達としては敬遠する傾向にある。
また別件だが最近では、いわゆるお年頃の若者で、ご祝儀が重なり、消費者金融に手を出す方もいる様だが、祝われる側として、そんなお金を受け取るよりも、払えなかった事情を理解するのではないだろうか。

自己破産すると社会の信頼を失う
金融機関ではほぼほぼ100%、内定者への信用調査が行われる。(破産歴、犯罪歴の他、履歴書に虚偽の記載が無いか、反社会勢力と関わりが無いか等)ここで破産歴があると、採用そのものが難しくなってしまう。自分の金銭を管理できない人間に、人様のお金を触らせられないという事なのだろう。(昨今は金融機関以外でも、外資系企業は多く信用調査を行っている。)
社会的な面のみでなく、個人的な交友関係でも自己破産すると友人からも敬遠されることもあるのではないだろうか。
それ以前に自己破産したという事実は、プライドや自尊心を大きく傷つけることになるであろう。

彼の様に楽してお金持ちになりたいという願望は、現実的な話でなく、やはり富を得るためには、コツコツ働いてコツコツ貯めることが一番の近道なのではないだろうか。(よってここで『バビロンの大富豪』という本をアフィリエイトとして紹介する)

何にせよ「インドネシアとか海外に拠点を移してやり直したい」と未だに言っている彼が、ベストな解決策をする様、元同僚として祈っている次第である。