突然の姉の訃報

家族とはすっかり疎遠だった私の元に、12年ぶりに父より電話がかかってきた。
何と私の実の姉が39歳にして急逝したとの事だった。

姉は結婚はしていたものの、別居状態にあり、死後かなり時間がたってから自室にて発見されたとの事。また妹が警察の司法解剖に協力しており、唾液を提供、身元判明には歯型を確認しているとの事だった。

私の姉は、元々理数系の成績に優れ、高学歴であったが、境界性人格障害を患っており、母に対する家庭内暴力が酷く、私が高校生時には一家がバラバラになるという大変な経緯があった。
急な訃報に対して、どこか心の中で冷静にこれが、彼女らしい死に方だったのかもしれないと考えている自分がいた。

一方で両親は、東京の実家を手放し現在、岩手に住んでいるという。ただ父は母と暮らす事が難しくなった為、現在は母は10分ほど離れたところで生活をしているという。
妹は35歳にして独身で東京暮らしとの事で、家族各々の事がとても心配である。

父は私に新しい住所を伝え、遊びに来てほしいといっていた。
余り気が進まない。家族と話していても暗い気分になる事が多いからだ。
そんな親不孝な自分自身にも嫌気はさしている。

まだ正確に姉の死が悲しいかと言われると、何とも言えない。
高校時代は居なくなってほしいと心から願ったものだった。

しかし姉の訃報から一週間たち、家族とは何なのか、幸せとは何なのかを考えざる終えなかった。