熊本県・山鹿3日目:お土産をくれたお坊さんに会いに行く

さて、楽しい市川海老蔵さんの舞台を終え、今日で山鹿を去る日である。
朝食処はいつも、山鹿は舞台関係者で賑わっているが、今日も私達貸し切りの様である。
(この宿のご主人も舞台公演関係者というか、八千代座公演は街を挙げて手伝っているという感じである)
昨日の夕食同様寂しさを感じた。そしてこの日も例によってあまり眠れず、軽く温泉に入っただけだった。一方夫はまた元気に朝から、さくらの湯に行ってきた模様。

宿で朝食のお世話をしてくれていた女性は、宿の駐車場で、海老蔵さんが歩いてくるところを偶然見かけたとの事だった。驚いた彼女は意を決して「おはようございます」と声を掛けると、笑顔で「おはようございます」と返してくれたらしい。(恰好はやはりユニクロ姿だったとの事)
色々なことがあっただけに、家族を想い、人を想う素晴らしい方なんだろう感じた。

今日も私は食欲もあまりなく、眠気が酷かった為、夫より先に部屋に戻り、また寝入っていると、夫が帰ってきて帰り支度をしてくれた。
宿のチェックアウト5分前に夫に起こされ、「支度が間に合わないっ!」と思ったら、夫が先にチェックアウトの手続きに行ってくれた。
返ってきた夫が「ゆっくりしてくださいねって言ってたよ~」というのですっかり安心した。こういったところが、山鹿の方々のおっとりした良いところである。

フロントには40代くらいの綺麗な女性と、明らかに20代のこれまた綺麗な女性がいたが、チェックアウト時にいらした女性は40代くらいの女性で、前回他の公演で来た時から面識があった。なんと東京の私達の住む町に従兄弟がいらして、何度も遊びに来ているとの事で、最寄り駅廻りの土地勘もあり親近感を持っていた。
今回なんと個人的に私達にお土産も持ってきてくださっていた。2人はお酒飲みだから、おつまみにと、燻製屋を営む弟さんから、急いでもらってきてくれたと聞いて、感激した。
また驚くべきことに、20代くらいの女性は娘さんとの事だった。

2人は私達夫婦が思いやりを持ち合っている理想的な夫婦だと、称賛しあっているとの事だった。娘さんは「あんな男性と結婚して、幸せな夫婦生活を送りたい」と言っていると聞いた。正直「?」と私は思った。結婚13年目に入り、少しお互いに思いやりが足りないと思う今日この頃。何を見て、私達が理想的夫婦に見えたのだろうか。

またお母様曰く娘さんは、血管の所々に腫瘍ができる難しい病気と幼い頃から闘っているとの事だった。山鹿市内だけの病院では対処できず、現在も熊本市内の病院で治療を受けているようだ。また治療のために東京に移住していた経験もあるらしい。(故に東京に、また郊外の私達の近所に土地勘が強かったのかもしれない)
そんな大変な病気を抱え、あんなに笑顔で元気に働いている彼女に対し、尊敬の念を感じずにはいられなかった。単に業務としてでなく、心底仕事が楽しくてたまらないように、働いている。生きているのが楽しいといえばいいのか、何かが輝いているような女性だった。
お母様は「それでも病気で色んなものが見えてきた」と語っていた。
椎間板ヘルニアで、歩行が満足にいかず、それだけで弱気になって泣いている私は何なのだろうか。
もう少し、2人とも話がしたく宿を後にするのは、少し後ろ髪をひかれる気分であった。

少し感傷的な別れの後、私達にお土産を残してくれたお坊さんに会いに行った。
お寺は車で宿から10分程度の町はずれにあり、寺に着くと、住職さんがすぐに迎えに来てくれた。私達は、歌が素晴らしかった事や、お土産の礼を丁寧に言った。

すると早速お坊さんは、離れにあるアトリエ?を見せてくれた。

f:id:fly_butterfly:20190426153607j:plain

f:id:fly_butterfly:20190426153621j:plain

なんと!なかなか本格的…というか凄い!またホテルキャッスル(熊本城を一望できる現地での一流ホテル)、鶴屋(熊本の有名デパート)でのLive DVDまでくださった!!

やはりお寺に来たのでお参りもさせてくださいというと、本堂までご案内くださったが、お参りよりも、演奏モードだったらしく、エレキギダーとウクレレでContry Road、You are my sunshine、また息子さん作詞、お坊さん作曲の素敵な歌を披露してくださった。 
声は衰えないというが、和尚さんの甘い歌声と優しいギターの音は、「ザ・山鹿」という感じの癒しを与えてくれた。
先日クイーンの伝記映画、ボヘミアン・ラプソティを買いに行ったが、売り切れで次の日に行って購入し、We will rock you を早速演奏したらしい。
好きなお酒はバーボン。山鹿で仲良くなった人には、必ず私達にしてくれたように、何かプレゼントをしている。
心若く一期一会を楽しんでいる。

f:id:fly_butterfly:20190426154431j:plain

f:id:fly_butterfly:20190426154442j:plain

もっと楽しい時間を過ごしたかったが、飛行機の時間も迫っていたので、お参りをさせて頂いた。(和尚さんはお参りは特になんでも良いようであった…)
最後に山の頂上にある不動岩まで、「山鹿市が一望できるから」と車で案内してくだった。車の中もギターでいっぱいだった。20本は持っているという...

f:id:fly_butterfly:20190426155225j:plain

f:id:fly_butterfly:20190426155247j:plain

ここで3人で記念撮影したのだが、(なんと三脚を持ってこられていた)和尚さんからいただいたメールアドレスが、不通の為入手できず、また何とか連絡を取って入手し、HPにUPしたいと思っている。

お寺を後にした私達は、ワイナリーにも行くか迷ったが、道路の渋滞も考慮して、飛行機の時間に余裕を持たせたいため、そのまま空港に向かう事にした。

感動的な舞台も見て、温泉を堪能し、美味しいお料理も食べ、現地の人々からの温かい善意にも触れた感動的な旅であった。
帰りの飛行機は、はあちゅうさんの「通りすがりのあなた」を読んだが、これも旅行やら留学やらがテーマで、旅に丁度良い一冊であった。

東京に帰ると、月曜であった為か皆、表情が暗くセカセカして見えて、なんだか熊本が懐かしく感じた。
次は恐らく秋に、坂東玉三郎さんの公演があるのでこちらを励みに日々を過ごしていきたい。