中東のアルコール事情

中東と言えばイスラム圏である為、基本的に皆禁酒だと思うだろう。
だが結論…結構みんなコッソリ飲んでます。

ヒルトンやハイアットなど外資系の高級ホテルには、もちろん欧米人向けに酒を飲む場所はある。
だが現地民向けにもバーの様なものがあり、大抵地下で店内を真っ暗にして、やましそうに営業をしている(メニューはビールだけと言った感じである)。

またアレクサンドリアで突然ビールが飲みたくなった私は、どうもその時は我慢ならず、町で歩いていた現地の人に「ビールが飲める場所は無いか」といきなり聞いたところ(←若気の至りで無謀で会った)、「来な」と合図をされ、町中からはずれの小さな通りまで連れていかれた。距離は保ってほしいようだったので、大分離れてついていった。
やがてひとつの民家に到着すると、顎で「ここだ」と合図するとそそくさと逃げて行った。
本当にこんな所でビールが手に入るのかと、いささか疑問に感じつつも、中の人を呼び、ビールは無いか聞いたところ、家の奥からぬるいままのビールを持ってきた。
それを通りで飲んだわけだが、なんだかかなり疚しい事をしている気分であった。

昨今のイスラム教徒も戒律に厳格かというとそう言うわけでもないらしい。
特に若者の間は、イスラム教そのものを信じずにいるが、35歳くらいになると、物の憂いが分かってくるのか、きちんとコーランを持ち、しっかりとした信者になるケースも多いという。
実際問題、街中で祈りの放送が流れても、祈りを捧げる信者の中で、若者は笑って立っているだけという風景も見られた。
欧米化や観光化も進む中、戒律には寛大なイスラム教徒も増えているといった印象を受けた。

私の泊まった宿の主は寛大だった為、私が「酒を飲んでても不快ではないか」と聞いても(酒は茶封筒に入れて見えなくしていた)「問題無い」と言って気にはしていない様子だった為、宿のロビーではいつもチビチビやっていた。

とはいえ基本的にイスラム教徒は禁酒の為、宿やホテルへの酒の持ち込みは禁止。
快適な旅の為にも、現地民への敬意の為にも、やはり最大限の配慮をする旅をお勧めしたい。