再びエジプト:エジプトの平和なビーチリゾート

イスラエルを後にした私は、再びエジプトに戻ることになった。日本への復路がカイロ発だったからである。
イスラエルとエジプトの国境エイラートに到着し、イミグレーションにて私の番が来たが、割り込んで次々に人が入ってくる。ここでは割り込んだもの勝ちである。エジプトでは日本の様に、列に並んで順番を待つという風習は無く、とにかく駅でもスーパーでも割り込んだもの勝ちである。

私も周囲を押しのけ、何とか列の先頭に立って、役人にエジプトへの再入国ビザを見せたが、「金を払えば入国可能」と言われ、ここでも腹を立てて「この再入国ビザの意味が分からないのかっ」と怒鳴ったらニタニタ笑いながら再入国させてくれた。やっぱりどこに行っても役人すら信用できない。

ここからターバのビーチリゾートは近かった。小さな町だった故、知り合った女の子とも簡単に再会することが出来た。彼女は日本人男性達と一緒に旅…というかターバでのビーチリゾートライフを満喫している様子であり、もう、ダイビングもCライセンスだかを取ってしまっていた。一方で私もダイビングのライセンスをここで取ってしまおうと考えていたが、前日にダイビングで日本人の死亡者がターバで出たとの事で、遺族の方々が海に花を投げている状況で、ここでライセンスを取るという気は無くなっていた。

ターバにはきちんとした日本人インストラクターもたくさんいるが、現地インストラクターの中には、ダイビング中に女性に痴漢行為を行うなど、命に関わる事もあるので、安易に現地で行動を起こさず、信用できる日本の旅行代理店などを通して、業者を見つけてほしいと思う。私もここで安易にダイビング・ライセンスは取らずにおこうと感じた。

私は結局、1日ターバでシュノーケリングをして過ごすことになった。現地安宿のアメリカ人女性が「コーラルビーチがバスで行けてとっても綺麗よ!」と強く勧めてくれたのでそこに行くことにした。
勧められた通り、専用の有料ビーチに私は行くことにし、そこでシュノーケリングをして一日を過ごした。何度か溺れそうになったが、そこそこ楽しいシュノーケリングを過ごして一日が終わったが、海を出ても、波に揺れている酔いの感覚が取れなかった。

この日泊まった宿のオーナーの男は、やたらと体に触ってくる不快な男だったが、帰ってくるなり、日本のプリンセス・キコが懐妊した、おめでとう、などと言って意味も無く抱き着いてきたため、不愉快極まりなく突き返した。この時の話も何だか良く分からなかったが、帰ってきてみると悠仁様ご懐妊のニュースだったわけである。

この日は、その日本人の女の子と、彼女が知り合った男性陣たちと共に夕食を取った。
社交的でない私は、エジプトで研究をしている筑波大学の大学院生と少し、現地事情の交換をして終わった程度であった。

翌日私はカイロ市内に戻る事になる。1日余裕があるため、郊外のアレクサンドリアも観光し、翌朝には韓国経由で日本に戻る計画だった。現地の屋台飯にも慣れてきていたが、(住めば都ならず、過ごせば都である)「やれやーれ、またカイロか」と思いながら眠りについた一日であった。