エジプト:モスクでセクハラ被害にあう

モスクで出会ったセクハラ司祭

エジプト最大の超有名某モスクに、ラムセス広場よりマイクロバスで向かう事になった。このマイクロバスというのが、ボロボロのバンにたくさんの人が乗り込むものである。もちろん観光客向けでなく、完全現地市民しか載っていないし、余り英語も通じない。
乗り場も秩序だったものがなく、運転手が行き先を告げながら走り、走行中の人が乗り込むという無秩序なもの。当然タクシーより安く、庶民の生活が垣間見れて楽しい。

外国人である私が珍しいらしく、じろじろ見られるが、カメラを向けられると、ハニカミ顔が可愛い。
目的地にたどり着くと、一緒に乗り合わせた客にアラビア語で「降りろ」といわれ、走行中のバスから飛び降りた。
私は由緒ある旧市街地域を歩いたが、この地区はバザールが広がっていて、 なんとも言えずにぎやかな雰囲気。建築物に興味のある人にも、是非ご覧頂きたい場所である。
歩道を渡ると名門アズハル大学の寺院があり、これもまた感慨深い。 

モスクに到着。入り口から中をのぞくと、何人かのイスラム教徒たちがたむろしていて、異教徒の私に対し、口々に「入るな」のポーズ。私もそこは尊重しないといけない点だと感じ、OKのジェスチャーをし、今回は観光をあきらめようとした。そんな時、その中の一人がやって来て、(どうやら司祭の方のようだった)私を足洗い場に連れて行き、靴を脱がすと、塔の上へと続く階段へと案内してくれた。
その時は旅先でもいい事があるものだと、感心していた。

司祭は建物の上の方へ連れて行くと、そこで建物内部を、アラビア語で丁寧に説明してくれた。
自分の食べているピーナッツも私にくれた。
言葉は通じなくとも彼の厚意は通じ、すっかりエジプトでの嫌なことを忘れそうだった。

彼は小さなホコリだらけの礼拝所(?)に私を連れて行き、部屋の隅の窓を開け、外を見るように指差した。  窓辺によじ登り、アズハル通りの喧騒を眺める私。  と彼も窓辺に上り、一緒に外をのぞいた。 

・・・とここで部屋の角に居る私の腰やらにやたらと、硬いものを押し付けてきた。

?????

一瞬気のせいかな、と思う。
いくら痴漢が多いエジプトでも、聖職者がそんなことする分けない。
気のせいに決まっている。
・・・と思ったが、明らかに司祭は体を押し付け続け、私の背中にか彼の固いナニが触れる。
振り返り怪訝な顔をすると、ニヤリと怪しげな笑みを浮かべる。 

私は思った・・・

・・・あんた、いったい何の神に遣えてんのよ...  

私は妙な気分で、するりと彼の体を抜ける。

司祭は反対側の窓も開け覗くように言うと、同じように体を押し付ける。
  

私は嫌になって急ぎ足で降りた。
彼は途中で私を止め、今度は鍵のかかった大きなドアを空け、更に上の部屋に通そうとする。
密室空間に怖くなった私は一目散に逃げだした。
 

生きた心地のしない足洗い場で足を洗っていると、彼は金を掲げるジェスチャーで、
私にも
チップを要求してきた。
  

 ・・・あのラクダ引きもそうだが、この国では女性にセクハラした上、その代金を要求するのが、普通なのだろうか。
完全ににシカトし、私は再び思った。
 ...じいさん、あんたいったい何の神に仕えている身なのよ・・・

寺院から立ち去るとき振り返り、懸命に足を洗っている、熱心な信者を見て何となくむなしい気分になった。

しかしエジプトの再入国ビザ申請やヨルダンの入国ビザも手に入れた事だし、エジプトの嫌なことはしばし忘れて、明日からイスラエルに出発である。