持病が完解に向かう

椎間板ヘルニアやら水虫やらで忙しかった私に、やっとこさ朗報が届いた。
10年以上戦ってきた免疫疾患(バセドウ病)がついに完解を迎えようとしている。

バセドウ病とは、首にある甲状腺というホルモンの分泌をつかさどる器官の機能が過剰に働き、様々な症状の出る病気を言う。言ってみれば体がいつもマラソンをしている状態であり、発汗や体重の減少、疲れやだるさ、生理不順や下痢など、様々な症状が出てくる病を言う。

私の甲状腺に問題があると発覚したのは21歳くらいの頃であった。
不正出血が続くため、婦人科で検査を受けたところ、甲状腺に問題があるようで、内分泌化の方にまわされた。
内分泌化の方で精密検査を受けたのだが、大抵バセドウ病だと、4つある数値のうち4つとも異常値を示すが、私の場合、2つほどしか異常値を示さず、この数値の出方が医師も見た事が無い数値との事だった。よって経過観察を言い渡され、治療が施されなかった。

23歳の時、アメリカに短期遊学した際、現地の専門医にかかった時は、「間違いなく甲状腺機能亢進症だから、タパゾール(日本でいうメルカゾール)を毎日1錠づつ飲みましょう」と薬を処方してくれた。また日本への帰国も予定していたので、日本の医師宛の紹介状も書いてくれた。

しかし日本に帰国し、紹介状を見せ検査を受けたが、この時の日本の基準ではやはり私は、バセドウ病でないとの判断がなされた。この時日本とアメリカとでは、抗体の検査基準が違い、アメリカでは陽性でも日本では陰性だったのである。よってまた経過観察との事で治療は受けられずにいた。

そうはいっても、私もバセドウ病の症状はひどく、例えば発汗や、食べても食べても体重が減少するなどの分かりやすい症状が出ていた。一時は身長158cmの私が、体40kgを切ってしまったほどである。

日本で抗体の検査基準が変わり、私も陽性反応が出て、治療が受けられるようになったのは32歳ぐらいの頃である。よく病気の告知は苦しい事だというが、未病といった状況が長年続くのも非常に苦しいものである。
やっとここでメルカゾールを1日1錠飲むという治療を始めることが出来た。
そこから甲状腺数値も正常値になり、様々さ体調不良から解放されることになった。

そして今年4月!毎日欠かさず薬を飲んでいた成果が表れ、薬が1日1錠から2日に1錠で良い事になった!これで数値が安定すれば1年後くらいには、薬を卒業することが出来る。
もし数値が上がるようであれば、放射能治療や手術を検討しなくてはならない。

帰りに薬を取りに薬局に行ったとき、いつもの薬剤師さんが「1日おきになりましたね。数値が良くなったんですか?」と喜んでくれた。

もう散りかけた桜を見て、10数年の冬が終わり、これから春一番が始まる、とさわやかな思いになった。